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上京する若者が、地域コミュニティの媒介役!――都会で生まれる、学生と地域コミュニティの新たな関係性

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皆さんは、「地方創生」という言葉を耳にしたことはありますか?日本各地の魅力を見直し、地域の活性化を進めようという動きのことです。数年前から政策として打ち出され、地方への移住促進も行われています。

しかし依然として、日本全体では東京への流入者が多いことも事実です。総務省が公表した2016年の人口移動報告では、20年連続で東京都は転入が転出に比べて多くなる「転入超過」の状況となっています。

参考リンク

www.asahi.com

上京の理由の一つは、大学などへの進学です。上京した学生は、まったく異なる地域社会に飛び込み、新しい関係性を築いていかなくてはなりません。これまで上京した学生たちは、どうやって地域とのつながりを作っていったのでしょうか。

先輩や大家さんが、上京する人と地域コミュニティとの媒介だった

かつて、東京以外の地方から移住する人々の多くは、東京とは地縁をもっていませんでした。親戚や親の知り合いなどがいる場合もありますが、それはごくわずか。

地方から出てきたばかりで、オンラインでどこででも知り合いを作ることができるソーシャルメディアのようなツールがなかった数十年前、上京する人々の大きな支えとなったのは、すでに上京した同じ地方出身の先輩や大家さんたちでした。彼らは上京組の先輩として、新たに上京した学生や新社会人と、東京の地域社会をつなぐ橋渡し役を担っていたのです。

例えば、アパートやマンションを借りるときにお馴染みの仕組みである「礼金」制度。この制度は戦後から始まったものです。上京する学生の保護者や後見人が、大家さんに対して“面倒をかける対価”として、謝礼金を前払いで支払ってきたことが由来とされています。

参考リンク

礼金 (れいきん) | 不動産用語集 | 株式会社R-net

また、実は昔から、今でいうシェアハウスのようなものも存在していました。特定の地域出身者が入居する、「県人寮」と呼ばれる寮です。各都道府県の育英会などが運営しており、学生も社会人も入居することができます。長い歴史をもつ寮も多く、信濃育英会が運営する長野県出身者限定の寮、「信濃学寮」は創設60年にもなるそう。入居できるのは同郷の人のみとあって、上京してきた人々に対して先輩が面倒を見る関係性ができていると言います。

参考リンク

allabout.co.jp

コミュニティとつながらなくても生きられる「無縁社会」

現在、こうした仕組みの多くは、衰退したり役割を変えてしまったりしています。その背景にあるのは、地域社会とつながることを求めない人々の増加です。

核家族化や非婚化などのライフスタイルの変化や、社会インフラの整備によって、都会では地域社会と接続せずとも生活することができるようになっているのです。

地域社会とのつながりが減少し、「無縁社会」という言葉も生まれた現代の東京。ついには、東京23区内でも消滅可能性都市に指定される場所が現れるなど、持続困難になる地域社会さえも現れ始めました。

参考リンク

www6.nhk.or.jp

www.sankei.com

多世代の協働が、地域コミュニティを良くしていく

地域コミュニティの衰退によって、持続困難な地域さえ現れ始めた今、現在、地域コミュニティの人々が積極的につながることによって地域を活発化させようという動きが、各地で生まれています。そのために注目されているのが、上京する学生たち。新たに地域社会に入ってくる彼らは、しがらみを気にすることなく、地域に暮らす人々をつなぐ媒介役となる可能性を持っています。また、学生は地域社会の中に入ることによって、大学や1つの会社の中だけでは得ることのできない、多様な関係性と経験を得ることができるのです。

それでは、上京する学生と地域社会が関係性を築くために始まっている、ユニークな取り組みをご紹介していきましょう。

商店街に学生が新しい風を吹き込む

「NPO法人 街ing本郷」(以下街ing本郷)は、東京・本郷三丁目周辺エリアに店を構える商店主や住民が参加するまちづくりNPO法人。この地域は古くから学生や教授が集い、彼らの生活を支える商店街が形成されてきたエリアです。本郷に住み働く人々と、上京する学生や社会人をつなげ、活躍の場をつくっているのが「街ing本郷」です。

NPO法人 街ing本郷

m-hongo.com

特にユニークなのが「書生生活プロジェクト」です。本郷エリアには、築年数が重なり、なかなか借り手がつかなくなってしまっていたアパートが少なくないのだそう。そこで、古いアパートを学生向けに安く貸し出し、学生は賃料のリターンとして、地域活動に参加するという仕組みです。「街ing本郷」が、大家さんと学生の間に入ることで、両者のコミュニケーションがスムーズに。さらには、上京してきた学生が地域で活躍する場を生み出しています。学生たちは、地域の高齢者から大人気!高齢者たちが集まるお茶会に呼ばれるなど、引っ張りだこなのだそう。学生たち自身も、学校ではできないこうした体験を楽しんでいると言います。

書生生活プロジェクト

www.shosei.tokyo

おいしい食事が、学生と地域コミュニティをつなぐ

親元を離れ、一人暮らしを始めると、大きな課題になってくるのが食事。朝昼晩、健康的な食事をとろうとしても、慣れない生活の中ではなかなか難しいことですよね。そんな‟食”の問題を解決し、学生と地域がつながるきっかけにしている活動があります。

「トーコーキッチン」は、東郊住宅社が提供している入居者用の食堂です。朝食100円、ランチ・夕食500円の日替わりメニューを中心に、毎日手作りの食事を提供しています。東郊住宅社が展開する神奈川・淵野辺エリアは大学が多く集まっており、利用者も大学生が大半。バランスのとれた食事が安く食べられるとあって、大人気なのだそう!

「トーコーキッチン」

www.fuchinobe-chintai.jp

この食堂には、入居者や同伴者、住宅のオーナーのみ入ることが可能。そのため、食堂を利用する人々の間に、自然と一体感が生まれていると言います。食堂のスタッフや東郊住宅社の社員、大家さんと顔見知りになり、話をするようになった大学生も多いのだそうです。

参考記事

suumo.jp

大学と地域住民が一緒に育てる、昭和30年代のようなコミュニティ

学校が子どもたちがやってきて、ご近所さんや大学生と一緒におやつ作り。休日の昼下がりには、大人も子どもも混ざって、持ち寄りのおかずを囲んで話が弾む。こんな光景が日常的に広がっているのが、東京・三田にある「芝の家」です。

芝の家|地域をつなぐ!交流の場づくりプロジェクト

「芝の家」は、慶應義塾大学と地元住民が協働で運営する地域コミュニティ拠点。「子どもがのびのびと遊び、お年寄りが安心して暮らせるように、まちに住み働く人たちがお互いに支えあえる関係」をつくることを目指して活動しています。大学生や地域住民がスタッフとなり、毎週火〜土曜にオープン。くつろぎの日や子どもたちの遊びの日など、日々特色のあるイベントやプロジェクトを展開しています。子どもやコミュニティ活動に興味がある学生だけでなく、他の学生に連れられてやって来るうちにスタッフとなった学生など、様々な学生が地域住民と関わることが出来る、貴重な場となっています。

学生が、団地の地域密着型サービスをサポート

年を重ねると、電球の交換や花の水やりなど、ほんのちょっとしたことが大変になってきます。「御用聞き」は、高齢者の日常生活における困りごとの解決を、5分につき100円で請け負うサービス。高齢化率が特に高い、団地を中心に展開しています。

「御用聞き」

www.goyo-kiki.com
peraichi.com

このサービスの重要な担い手となっているのが、福祉や介護を学ぶ大学生たち。団地に暮らす高齢者からどんな困りごとがあるのか、日ごろ抱えている思いなどを聞き取っています。

「御用聞き」では、地域の様々な人々が参加できる健康プログラム「ちいちゃん体操」も実施。大学生たちと一緒に体を動かすうちに、始めはこわばっていた顔をしていたおじいちゃんやおばあちゃんも、皆が笑顔になってくるのだそう!学生たちが持つ若いパワーが、地域の人々を元気にしています。

また、「御用聞き」は先日マチマチと業務提携をスタートしたばかり。より密接に地域コミュニティとの繋がりを育んでいこうとしています。

lab.machimachi.com

新たな土地で、ご近所コミュニティとつながるために

誰でも、なじみのない場所に移り住むということは、とても不安になるもの。ましてや、地域社会が弱体化している東京のような都会では、ご近所さんとの関係性を築くことはより難しいことです。しかし、地域社会と新たにやってきた若い人々がつながるということは、上京した人だけでなく、地域そのものに新しい風をもたらしてくれます。

上京後にご近所さんと繋がるために、地域の人が限定で使用できる「マチマチ」が果たす可能性は無限大。「マチマチ」を使って、新しい地域でのご近所づきあいを楽しんでくださいね!

ご近所SNS「マチマチ」

machimachi.com

マチマチのサービスについてはこちら

lab.machimachi.com