地域包括ケアシステムに必要な「在宅医療」と「多世代交流」(2016年12月上旬・コミュニティデザインニュース)

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ご近所SNS「マチマチ」のコミュニティデザインチームでは、よりよい地域社会のデザインを目指して、日々参考になるようなニュースやトピックのリサーチを行なっています。その中で集めた情報を「ご近所未来ラボ」で定期的にシェアしていきます!

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私たちと同じように、地域の課題解決に取り組もうとしている、あるいはすでに取り組んでいる方々にとって、少しでも参考になれば幸いです^^

地域包括ケアシステムに欠かせない「在宅医療」のいま

先日の「2016年11月前半・コミュニティデザインニュース」でも取り上げた、「地域包括ケア」。これは、高齢者が住み慣れた地域で、最後まで自分らしい暮らしをするための施策です。街づくりや社会福祉の観点から注目が集まっている「地域包括ケア」ですが、この施策は「在宅医療」との連携が欠かせません。

そこで今回は「在宅医療」のニュースに着目してみました。在宅医療には、現状どのような懸念や課題があるのか……在宅医の視点からまとめられたのが、こちらの記事です。

患者のほとんどは在宅医療を知らない | 医療経営CBnewsマネジメント

 医療の進歩により長寿大国となった日本ですが、2030年には団塊の世代が80歳に突入、2040年には167人が亡くなり、病院や施設、自宅でも最期を迎えることができない「看取り難民」の増加が懸念されています。

在宅医療を提供する体制が進んでいるのにもかかわらず、在宅看取りが増えないのはなぜか。ー辻氏はその答えが死亡の場所の割合に表れていると指摘する。「日本では、医療といえば病院医療だ。専門家の間で知られるようになっても一般市民で在宅医療を知っているのは1%くらい。それ以外の人は『病院以外で死んだ方が安心だ』と思っている」
(上記記事内より引用)

在宅医の辻氏は、以上のような厳しい現状を伝えています。「地域包括ケア」を浸透させていくには、まず在宅医療についての正しい理解を広めていく必要があるのかもしれません。

内閣府が出している「高齢社会白書」の調査結果を見ても、在宅医療の必要性が伺えます。

平成28年版高齢社会白書(概要版)(PDF形式) - 内閣府

 この調査報告書の中では「高齢者のいる世帯は全世帯の約半分、そのうち『単独世帯』・『夫婦のみの世帯』が過半数」「高齢者の要介護者等数は急速に増加しており、特に75歳以上で割合が高い」 「介護を受けたい場所は『自宅』が男性約4割、女性3割、最期を迎えたい場所は『自宅』が半数を超える」といった事実がデータにより示されています。

高齢者のひとり暮らし、要介護者が増えている中で、自宅での介護や診察を望んでいる方々が大勢います。彼らの生活をコミュニティ全体で支えていくためにも、在宅医を含めた医療や介護の在り方については、真剣に議論をしていく必要があると思います。  

「多世代交流」を生んで、誰もが楽しく過ごせる団地へ

「地域包括ケア」を推進する流れから、最近では各地で「多世代コミュニティの創出しよう」という動きが盛んなっています。以下は、福岡県宗像市内にある「日の里団地」での取り組みです。 

www.homes.co.jp

 日の里ファームでは、年齢・性別・ライフスタイルに関係なく「あたたかな近所づきあいのできる場」や、作物を育てることで、身体や頭を動かし、会話をし、サラサラとした砂を触ってリラックスできる「心身ともに心地よい場」、わからないことは尋ね、知恵を絞り、新たな発見や気づきを得る「学習できる場」、新しいことにチャレンジする「挑戦の場」の4つのコンセプトをベースにした場づくりに取り組んでいる。

(上記記事内より引用)

 全国初「団地の農場 日の里ファーム」 - 宗像市

URでは、「多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まちづくり」を目指し、日の里団地内に全国初の本格的な農業施設を整備しました。(中略)野菜づくりを通して、団地に住む高齢者や若い世代、子どもたちとの交流や住人同士のつながりを深めてもらい、多様な世代が生き生きと暮らせる住まい方の実現を目指しています。
(上記記事より引用)

また、同じく団地での取り組みでは、こちらの事例も気になりました。

machida.keizai.biz

上記の事例では、団地内にさまざまな人が集まれる場所を設け、継続的に関わりを持てる仕組みを作ることで、多世代交流が生まれる場づくりに成功しています。こうした取り組みは、誰もが幸せな日々を過ごせるコミュニティづくりのために、有効な手段となりそうです。

多摩市が目指す「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」

東京都多摩市では、地域包括ケアの推進や多世代コミュニティの創出に向けて、自治体が積極的にアプローチを始めています。 

www.townnews.co.jp 

 多摩市では現在、「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」を掲げ、高齢者だけでなく障害者も含めた、住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けるまちづくりをめざし、「多摩市版地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みを進めている。そうした中で、地域の協力を得て、多世代間のコミュニティづくりにつながる身近な相談拠点を整備、推進することを計画している。
(中略)今後、多摩ニュータウンの諏訪、永山、貝取、豊ヶ丘の4団地で先行して、「多摩市版地域包括ケアシステム」の構築、「地域医療福祉拠点化」による多世代コミュニティの形成に取り組んでいくことを目指していく。
(上記記事内より引用) 

www.swc.jp

こうした自治体単位での取り組みは、今後どんどん増えていくことが予想されます。この多摩市の団地に対する施策は、後続への大きな参考となり得る事例だと感じました。「多摩市版地域包括ケアシステム」の構築によって、街がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいです。

高齢者の居場所づくり、韓国でも進む

こちらは、日本と並んで世界最高水準の高齢化速度を誇る韓国の取り組みについて、紹介した記事になります。

www.nippon.com

「思い出プラス」は、高齢者向けの映画館(「ハリウッド・クラシック」)内にあった小さい食堂が独立し、2013年9月にパゴダ公園の近くの商店街にオープンした。民間銀行の社会貢献活動による財政支援を受けて経営しており、高齢者に安い食事とお茶やコーヒーなどを提供している。
厨房で料理をしたりホールでサービングをしたりする従業員もすべて高齢者であり、地域の高齢者に働く場を提供するという重要な役割も果たしている。店内は、1970~80年代を思い出させる内装で、DJが紹介する当時の音楽も人気の理由だ。食堂としてだけでなく、高齢者同士の交流も盛んに行われる場所となっている。
(上記記事内より引用)

ソウル市内でも特に高齢化が進んでいる鐘路では、こうした高齢者同士の交流促進や雇用創出など支援活動が充実しているようです。「思い出プラス」が取り組んでいるように、高齢者が安心して過ごせる“居場所”を作ることは、高齢化の進むコミュニティにおいて重要なポイントなのだなと、あらためて感じました。

 「ご近所未来ラボ」では、今後ともこうしたニュースのピックアップを定期的に行なっていきます。TwitterとFacebookで最新情報をお届けしているのでお届けしているので、ぜひフォロー&チェックして頂けたら幸いです。

 

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