読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ご近所未来ラボ by ご近所SNSマチマチ

ご近所SNS「マチマチ」が運営するブログです。「マチマチ」のお知らせから、参考になるコミュニティデザインの事例まで色々発信していきます!

まちづくりにつながる保育園が、地域コミュニティを元気にするー「地域社会」と「子育て」が関わる事例紹介

『ご近所未来ラボ』では、読者の皆さんの活動に役立つ、これからのコミュニティや地域を作っていく取り組みや考え方をご紹介しています。

これからの子育てを考えるうえでキーワードとなる、「地域社会」のつながり。以前、ご近所未来ラボでは、改めて地域社会と子育てのつながりが注目されるようになった背景をご紹介しました。

過去の記事はこちら

lab.machimachi.com

今回は、具体的に地域社会と関わる子育ての取り組みをご紹介します!

f:id:MegumiHarada:20170305185614j:plain

地域に開かれた保育園「まちの保育園」

「まちの保育園」は、‟地域に開かれた保育園”を目指す施設です。地域の人々と関わるために設けられているのは、なんとカフェやギャラリー!

「まちの保育園 小竹向原」のカフェには、朝から晩まで、親や地域の人々など様々な人々が訪れます。朝は保育園に通わせている母親たちが子どもの見送り後にほっと一息つく場として。夜はお迎えに来た父親たちが、子どもたちと一緒に少しお腹を満たしていく場所として。カフェは、それぞれの親同士の交流の場にもなっています。

カフェやギャラリーにいると、時折子どもたちの声が聞こえてきます。直接的には見えなくても、子どもたちの存在を感じることができるのです。

また、「まちの保育園」では、子どもたちによる地域との関わりづくりも実施。子どもたちが地域の老人ホームを訪れるなど、多世代との交流も積極的に行っています。

まちの保育園

machihoiku.jp

この保育園を立ち上げたのは、松本理寿輝さんです。松本さんは、学生時代から子どもたちの施設をつくりたいという夢を持っていたのだそう。ただ、松本さんは研究を続けるうちに、家庭に大きな負担がかかっている今の日本の保育システムに問題意識をもつようになりました。

あるとき、松本さんは保育に対する衝撃的な考え方に出会います。それは、イタリアのレッジョエミリア市で行われている教育方法。「教育は教師や教室のものではなくて、社会や子どもの未来をつくるもの。そのプロセスは幸せな試みであるはず」という考え方に共感した松本さんは、その考え方を生かしながら、自分自身の夢をかなえる保育施設を経営することを決意します。

それから、広告代理店での勤務や起業を経て、松本さんは小竹向原に最初の「まちの保育園」を設立。ここから、松本さんは自らが追い求める理想の保育の形を、少しずつ現実のものとしていきました。現在は、都内に5か所の「まちの保育園」がつくられています。

「まちの保育園」の特徴は、地域と積極的に関わりを持つこと。その上で重要な存在が、コミュニティコーディネーターと呼ばれる職員です。コミュニティコーディネーターは、地域との連携プロジェクトを企画・進行したり、地域の資源と保育園をつなぐ役割を担っています。

コミュティコーディネーターが地域と関わる際は、地域の歴史や文化的背景、住んでいる人の属性や街の中の施設などを把握するところから始まるのだそう。住民の思いやニーズをベースにしながら、子どもたちと地域社会がどんな接点を持つことができるのか。コミュニティコーディネーターを軸に、日々松本さんたちは模索を続けています。

参考記事

greenz.jp

高齢者も子どもも、誰もが必要とされる場所

愛知県長久手市にある、多世代交流自然村「ゴジカラ村」。約1万坪の雑木林の中に、特別養護老人ホームやケアハウス、幼稚園などが点在する福祉複合施設です。その隣にある「もりのようちえん」に通う子どもたちにとって、高齢者は良き遊び相手。高齢者の施設を訪れて、一緒に木の実を使って工作したり、昔ながらの遊びを教わったり。高齢者を、幼稚園の運動会などの行事に招待することもあるのだそう!

社会福祉法人 愛知たいようの杜「ゴジカラ村」

gojikaramura.jp

「もりのようちえん」を運営するのは、学校法人吉田学園です。創業者の吉田一平さん(現長久手市長)は、自分たちの子どもの頃のような自然と共にある保育環境を作りたいと、34年前に愛知たいよう幼稚園をスタートさせました。

しかし、幼稚園を始めると、新たな問題に直面します。それは、どれだけ保育士が働く環境を向上させたとしても、保育士だけでは子どもたち一人一人に向き合いきれないということ。そこで、吉田さんたちが注目したのが、地域にいるお年寄りたちでした。

普段家にいてもすることがなかったり、人と関わる機会が少なくなっていたお年寄りたちを呼び込み、お年寄りと子どもたちが集う場を作りました。すると、あまり動けなくなってしまっていたお年寄りも、『心配だ』と遊びまわる子どもたちの後を追いかけて、だんだん元気になっていったというのです。

その後、保育園と同様の問題が養護老人ホームで発生していることを知り、子どもとお年寄りがお互い関わりあいながら生活できる環境「ゴジカラ村」が生まれました。

ゴジカラ村で大切にしていることは、子どもからお年寄りまで、様々な役割をつくること。子どもたちやお年寄りの世話も、専門の人たちを増やせば、もっと効率化できるかもしれません。しかし、専門人材の数にも限りがあります。ゴジカラ村では、少ない専門人材に頼ることをやめて、多少不便で時間がかかったとしても、お互いに役割を求めている人同士に、その役割を担ってもらおうとしているのです。

参考記事

suumo.jp

www.excite.co.jp

参考文献

日本のシビックエコノミー―私たちが小さな経済を生み出す方法」紫牟田伸子、江口晋太朗、太田佳織、岡部友彦他著

鉄道から生まれる子育ての輪

ある日の朝、親と一緒に子どもが保育園にやってきます。子どもと別れた親は、保育園の隣にある駅から出勤していくーーー。今、日本の鉄道会社は、保育園や保育サービスの提供など、積極的に地域と関わる子育て支援を行っています。特に待機児童が多い首都圏では、すべての鉄道会社が保育事業に参入しているほどです。

例えば、JR東日本は「HAPPY CHILD PROJECT」を展開。首都圏の鉄道駅を中心に、駅に隣接する保育園、児童施設を作っているほか、親子コミュニティカフェを行っています。また、高齢者福祉と子育て施設を併設した「コトニア」を都内3か所にオープン。子育てから介護まで、一貫した地域福祉を提供しています。

HAPPY CHILD PROJECT(JR東日本)

東急電鉄は「Tokyu Child Parters」と題したプロジェクトを行い、積極的に保育所を開設しています。2008年には学童保育事業もスタートさせました。

Tokyu Child Partners|東急グループ|東急電鉄

しかし、なぜ鉄道会社が、一見何のかかわりもない子育て支援に、積極的に取り組んでいるのでしょうか?

実は、子育て支援に限らず、昔から様々な鉄道会社が、近隣住民の豊かな生活を実現するべく、沿線のまちづくりに取り組んできました。鉄道事業は、沿線地域に暮らす人々の生活が不可欠だからです。

鉄道会社は今まで、住宅が不足していた時代には宅地開発を行い、時には沿線住民へ娯楽を提供するとして、遊園地経営まで行っていました。そして今、社会の中で待機児童の問題が深刻化する中で、地域をベースにした子育て支援に取り組むことになったのです。

電車に乗りやすく、通勤時も帰宅時もピックアップしやすい駅型保育施設。地域に暮らす親たちにとって利便性の高いこの取り組みは、今後より求められる可能性を秘めています。

参考記事

biz-journal.jp

今後は、保育園だけでない「地域社会」と「子育て」の、多岐にわたる取り組みをご紹介していきます。お楽しみに!

「マチマチ」のサービスはこちら

machimachi.com

「マチマチ」の使い方についてはこちら

lab.machimachi.com