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ご近所未来ラボ by ご近所SNSマチマチ

ご近所SNS「マチマチ」が運営するブログです。「マチマチ」のお知らせから、参考になるコミュニティデザインの事例まで色々発信していきます!

いま「子育て」に求められている環境とは? ――高度経済成長期の前から振り返る「地域社会・家庭・保育園」の形の変化

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子どもたちの未来の可能性を育む「子育て」。現在の日本では、国内外から様々な教育手法が取り入れられ、ユニークな取り組みを行う保育園や活動団体が増加するなど、多様な子育てのかたちが存在します。

そんな中で、「地域社会」と「子育て」のつながりが、あらためて見直され始めています。

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子育てが安心してできる地域コミュニティ、まちづくりが求められている

第一生命経済研究所が発表した、地域社会における子育てに関するレポートをみると、次のような結果が掲載されています。

地域社会の子育て・教育環境の整備のために何が重要である と小学生の母親が認識しているかを考えると、「地域社会の安全性や人々とのつながり」とともに、「各種教育施設やクラブ活動の展開」や「放課後子ども教室」ならびに 「放課後児童クラブ」の充実である。


「地域社会の安全性や人々とのつながり」については、現状に満足している人が多かったが、多くの人が地域社会における子育ての重要な要素であると認識していることを改めて確認できた。
 

的場(2010)「地域社会における子育て・教育環境 ―小学生母子の地域とのかかわりと教育に関するアンケート調査より― 」『Life Design Report(2010年4月号)』より抜粋

この結果から、子育てをする上で多くの親たちは「安全で、何かがあったときに声を掛け合うことができる地域環境が不可欠だ」と考えていることがわかります。働く親が増え、親自身が子どもたちの見守り役となることが難しくなってきた今、安心して子どもたちを預けられる環境が、再び地域社会に求められているのです。

保育園や保育サービスも、地域コミュニティとの連携を求める

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地域社会との連携を考えているのは、親たちだけではありません。保育園や幼稚園、学校など、子育てに関するさまざまな施設やサービスの提供側にとっても、「地域社会」は重要なキーワードなのです。

近年では、「子どもたちの声がうるさい」などという理由から、保育園の建設が中止に追い込まれる事態も発生しています。反対運動を起こす人々は、元々その地域に生活していた地域住民が大半だというケースが多いです。

www.nhk.or.jp

ただ、きちんと時間をかけて設立の意図や施設に関する説明を進め、開園後は積極的に地域の人々を巻き込む活動を行った結果、保育園に肯定的な地域住民が増えたという例もあります。施設や活動の提供側にとっても、地域社会とつながるための取り組みは、必須になってきています。

人々のつながりが希薄になり、ときには“無縁社会”とすら呼ばれることもある現代。地域に暮らす誰もが、地域社会へ溶け込み、不安や警戒心を感じることのない新しい子育てのかたちを実現することが、世の中全体から求められているのです。

www.huffingtonpost.jp

かつては当たり前だった、地域コミュニティが支える子育て

地域社会とつながる子育ては、日本の歴史の中ではあまり珍しいことではありません。むしろ、数十年前まで、子育ての中心は地域社会でした。

昭和の中頃までは、第一次産業に従事している人口が多かったため、農村部を中心に、子どもは祖父母や近隣に住む年長の子どもたち、子守に預けるのが一般的。その分、若い親は畑に出て、野良仕事に精を出していたのです。

子育ての形は、都市部から次第に変化していきました。明治時代に入り、紡績などの工場が新たな職場として台頭してくると、紡績工場経営者などが工場や家庭の外で働く母親を助けるために、民間の施設として子どもを預かる施設を整備し始めます。これが、保育所の原型です。

また同時に、産業の形態の変化に伴い、「夫は外で働き、妻は専業主婦として育児と家事に専念する」という“性別分業”の家族モデルが少しずつ増えていきました。

berd.benesse.jp

子育てにも大きな影響を与えた、高度経済成長

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現在の子育てに大きな影響を与えたのが、高度経済成長です。高度経済成長を支えるべく、「企業に所属し長時間労働する父親と、専業主婦の家庭」という家族のあり方を、政府が積極的に推進。その結果、日本全国に急速にこの形が広まっていきました。

母親が働かず家庭に残るようになったことによって、これまで地域で協力してきた子育てが、“家にいる母親が責任を持つ行為”に様変わりしたのです。

昭和の終わりに差しかかると、さらに状況は変化します。徐々に景気が後退してくると、それまで家庭にいた母親たちも、家計を守るために働く機会を求め始めます。また、この頃から社会的に“女性の権利・自立”が叫ばれるようになり、自己実現のために外で働きたいと希望する女性たちも、合わせて増えていったのです。1990年代半ばには、ついに共働き世帯の数が、専業主婦家庭の数を追い抜いていきました。

blogos.com

現代の働く母親たちが直面する、子育ての現実

すでに共働き世帯が主流になったとは言え、未だに家庭内の家事の多くの割合を担っているのは女性です。不動産情報サービスのアットホームは12月14日、「"家の居心地"に関する調査」の結果を発表。子どもがいて夫婦ともにフルタイム勤務をしている人のうち、27.9%の人が夫婦の家事分担割合について「夫:妻=1:9」と回答しました。

news.mynavi.jp

未就学児童のいる共働き世帯にとって、大きな課題となっているのが「子どもを預けられる施設がないこと」です。首都圏や政令指定都市などの都市部では、待機児童数の数が年々膨れ上がっており、昨今では深刻な社会問題として広く認知されるようになりました。

参考リンク

保育所等関連状況取りまとめ(厚生労働省・平成27年4月1日)

誰もが働き、安心して子どもを育てられる社会の実現に向けて

現在の子育てでは「子どもは家庭で育てる」という意識が一般的なものとなっています。しかし、その形が当たり前になったのは、高度経済成長期からのこと。それまで長い間、子育ては「地域住民みんなで行うもの」と位置づけられていました。共働きが当たり前になり、待機児童の問題に頭を悩ませる家庭が増えている今、安心して子育てをするための「地域社会のつながり」が、再び求められ始めています。

lab.machimachi.com

ご近所SNS「マチマチ」は、地域社会のつながりを生み出し、持続的に育てていけるサービスです。子育て中のママ同士が、自分たちの住んでいる地域の保活状況をシェアしたり、おすすめの小児科を教え合ったりなどしていて、有効活用していただいています。

lab.machimachi.com

地域の課題解決にアプローチをしようと思っている方や、育児でお悩みを抱えている方、ぜひこの機に一度マチマチを使ってみてください。マチマチを通じて、なにか解決の糸口が見つかってくれたら、うれしいです。

machimachi.com 

次回以降、地域社会と連携した子育ての取り組み事例を、具体的にご紹介したいと思います。お楽しみに!