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ご近所未来ラボ by ご近所SNSマチマチ

ご近所SNS「マチマチ」が運営するブログです。「マチマチ」のお知らせから、参考になるコミュニティデザインの事例まで色々発信していきます!

地域コミュニティを支える「CCRC」と「地域包括ケアシステム」――これからの社会福祉を担う2大キーワードの要点

社会福祉 地域コミュニティ CCRC 地域包括ケアシステム コミュニティデザイン 生涯活躍のまち 地域包括支援センター 社会福祉士 主任介護支援専門員 在宅医療連携拠点

『ご近所未来ラボ』では、読者の皆さんの活動に役立つ、これからのコミュニティや地域を作っていく取り組みや考え方をご紹介していきます。

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これまで、食を通じて地域でのコミュニケーションを円滑にする「レストランデイ」の取り組みや、公園をより使いこなすための概念「パークマネジメント」などについてお伝えしてきました。

「レストランデイ」の取り組み

lab.machimachi.com

「パークマネジメント」の取り組み

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 今回は、地域をベースにした新しい福祉のあり方、「CCRC」と「地域包括ケアシステム」というについてお伝えしていきます!

f:id:MegumiHarada:20170123211921j:plainphoto credit: Philips Communications 

課題だらけの日本の社会福祉は、「地域」に託されている

世界的にも類を見ないスピードで、高齢化が進んでいる日本。現在、65歳以上の人口は3,000万人を超えています。これは、なんと国民の約4人に1人が65歳以上ということ! 2042年には高齢化がピークを迎え、約3,900万人にも上ることが予想されています。

高齢化の進行に伴って、様々な問題も発生しています。特に大きいのは費用の問題。医療や介護に対する人々の負担は、年々大きくなっています。また、医療や介護のサービスを提供する人材は、すでに足りていない状況が続いているうえ、今後さらに不足するといわれています。
中でも、東京などの大都市圏は、他の地域に比べ急速に高齢化が進行。様々な課題がいち早く深刻化すると懸念されています。

 

こうした状況の中、地域を基盤とすることで、誰もが自立した人生を送ることができる福祉のあり方が模索されています。特に注目されているのが、「CCRC」と「地域包括ケア」という2つの概念です。

CCRCは、「リタイア後の高齢者が、生き生きと健康的に『第二の人生』を楽しめるような地域コミュニティ」のこと。特に、地方で盛んに作られており、政府も都会の高齢者が地方のCCRCに移住することを積極的に支援しています。

そのCCRCを成立させるために重要なのが、地域包括ケアシステムです。地域包括ケアシステムとは、「住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に行う」仕組みのこと。従来、分断されていた医療や介護などの領域が連携することで、高齢者が生き生きと生活するための包括的なサポートを目指しています。下の図は、この2つの概念の関係性を簡単にまとめたものです。

f:id:MegumiHarada:20170123212246j:plain

図:以下の参考資料を元に筆者作成
日本版CCRC構想 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/ccrc/ccrc_soan.pdf

参考URL  「地域包括ケアシステム」(厚生労働省ホームページ)

www.mhlw.go.jp

高齢者が健康的に、多世代とともに豊かな生活を送るコミュニティ「CCRC」

それでは、CCRCと地域包括ケアシステムの2つの概念について、それぞれ詳しく見ていきましょう!

CCRC(Continuing Care Retirement Community)は元々アメリカを中心に発達した概念です。社会の仕組みや価値観の違いなどから、日本でそのまま用いることが難しかったため、より日本に即した「日本版CCRC」構想の策定が進められました。

現在は、「生涯活躍のまち」構想というかたちで、最終報告がまとめられています。

参考URL 「生涯活躍のまち」構想最終報告

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/ccrc/h27-12-11-saisyu.pdf

アメリカで、CCRCが広がったのは1970年頃。CCRCの概念をベースにした高齢者福祉施設が多く建設されるようになりました。予防医療や介護のための施設のほか、ゴルフ場やショッピングセンターなどの娯楽施設や、生涯学習のための施設も併設されているところが多く、非常に充実した設備を持つことが特徴です。

ただ、どの施設にも入居するためには高額な料金を支払わなければなりません。そのため、アメリカでも一部の高齢者しか入居できていないそうです。

参考URL 「アメリカ「CCRC」の事例から学ぶ、終の棲家を自分で選ぶということ」(SUUMOジャーナル)

アメリカ「CCRC」の事例から学ぶ、終の棲家を自分で選ぶということ | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

そこで、日本のCCRCでは、高齢者が自分らしくリタイア後の生活を送るための環境を、地域全体でつくろうとしています。具体的には、高齢者が健康な段階で移住し、移住先の地域コミュニティと関わるプログラムに参加することで、高齢者自身が主体的に地域を動かしていく担い手となる……という構想です。

移住先の地域コミュニティに溶け込むめに、きっかけをつくる場として注目されているのが「サービス付き高齢者向け住宅」です。ここは従来の高齢者福祉施設と異なり、介護や医療などのケアは必要なときだけで、基本的には身の回りのことはすべて入居者自身で行います。さらに、移住してきた高齢者が、地域の人々とイベントをしたり、仕事を作ったりできる仕組みを備えているものが数多く建てられています。日本の今後の高齢者の生活を、大きく変えるきっかけともなりうるCCRC。医療・福祉のサービスはもちろんのこと、地域の大学と連携した生涯学習プログラムや、様々な民間サービス企業の参入も進んでいます。

参考URL 「高齢者の“大移住”が始まる!?~検証・日本版CCRC~」(クローズアップ現代アーカイブ)

www.nhk.or.jp

“最後まで地域で幸せに暮らす”を実現する「地域包括ケアシステム」

これからの福祉を考えるうえで、CCRCと共に、もう一つ注目されている概念が地域包括ケアシステムです。

元々、医療や介護、福祉の各領域は、ケアを行う上で密接に関わることが多かったのですが、それぞれの専門性の高さなどから、十分な連携が図られている状態ではありませんでした。そこで、地域包括ケアシステムでは、医療、介護、福祉など多様な分野の協働がポイントとして進められています。

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その軸となるのが、「地域包括支援センター」です。地域包括支援センターには保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員など、各領域のスペシャリストが配置。医療や介護、福祉の問題にワンストップで対応してくれます。

また、各市町村に1つ作られる地域包括支援センターに対し、より地域と身近に関わることができる拠点として、「在宅医療連携拠点」があります。在宅医療連携拠点は、地域の診療所との連携や、地域で働く医療・介護人材の育成などを担当。地域に暮らす高齢者の“よろず相談所”のような場所として、各地で増えています。

誰もが地域で生活し続けるために、在宅医療のシステム構築も地域包括ケアシステムの大きなポイントの一つ。病院などの地域の医療機関と、診療所、介護サービス事業者などが一体となった、患者のケアチームの仕組みづくりなどが行われています。

参考URL  「地域包括ケアシステム」(厚生労働省ホームページ)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

 

 

次回以降は、「CCRC」と「地域包括ケアシステム」の各事例を具体的にご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!

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